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2024.05.06 - 
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コンビニ店長になってる閻魔の話。

※Attention※
・鬼男君視点
・キャラ壊れ警報
・腐向け?
・鬼閻っぽい雰囲気ですが特に考えて書いてません←


がっかりクオリティでも大丈夫な方は追記からどうぞー!

いつから一緒に暮らし始めたかって言うのが、二年前だったか、三年前だったか。
それがいつだったかってのを思い出そうとすると必ず、記憶に靄でもかかったかのようにあいまいになる。
ただ、昔馴染みだった知り合いに「一人暮らし大変なら、オレのとこ来る?」って誘われて、断る理由もないから半分転がり込むような形でお邪魔したって事が、今でも思い出せるくらいに記憶に焼きついていた。
いつごろからなんてのに、さしたる興味はなかったんだろう。

***

午後からの講義だってことに甘んじて貪ってた眠りから浮かび上がったのが、大体十分前くらい。
時計は午前の十時ちょうどを差している。
まだ寝れるかなとぼんやり思ってみるけど、寝起きも悪ければ寝つきも悪い僕の事、今から寝たら多分次起きた時にはオレンジの太陽を拝むことになりかねないだろうから二度寝は止めることにした。

半分ぼんやりした状態で、まずは枕元に投げてる携帯を探る。
「そうでもしないとオレからのメール見やしないんだから」そう同居人が言ったのはいつごろだったか、とにかくそれはあの人と暮らし始めてからの僕の日課になっていた。
重い目を擦りながら見た電子画面には、『新着メール一件』の文字。
だらけきった指をキーに滑らせてメールを呼び出すと、案の定、来ていたメールはあの人からだった。





『いつもより今日は早めに出る事になったから、今日は、っていうか今日も?寝顔見るだけに留めとくよ。
そうそう、朝ごはんちゃんと用意してるから、抜かしてくなんてバカな真似はしないよーに。
今日も勉強頑張ってねー☆ 

P.M 今日は夕方上がりだから時間合うなら迎えに来て?』






「いつも寝顔見てんのかよあの人は……」


欠伸をかみ殺す一方で落ちてく呟きは、自分でもわかるくらいに呆れている。それが最早慣れっこになったのは、大体二ヶ月くらい前。
あの人はそういう人だって割り切ったのは、それよりもう少し前だったような気もするけど。

とにかくいつまでも寝床じゃ埒があかないと起き上がって、誰もいない食卓に腰をおろす……前に、目覚めにとコーヒーを淹れる。
これも一種の日課のようなものだなと、漂ってくる香りを感じながらぼんやりと考えた。
たまに朝食で会う同居人は朝のコーヒーが大好きで、何故かよく僕に淹れさせていたから。

一人暮らしの間にはコーヒーなんて淹れた事がなかっただけに、始めはよく文句をつけられた。味がどうとか、濃さがどうとか。
じゃあ自分でやれよと言うその度に、「鬼男くんのじゃなきゃ嫌だ」と拗ねたように返していた同居人の眼鏡にかなう淹れ方を覚えたのが、六ヶ月前。
一見甘党の同居人はブラックが何より好みで、僕が備え付けのミルクを溶かしている間に実に美味しそうにカップを傾けていたのが、本人のいない今でも目に浮かぶ。

ブラックって美味しいですか?苦いのがそこまで好きでない僕の問いかけに、飲んでみる?と口を近づけてきて……と言った余計な事まで思い出したのは、迂闊と言うか失敗と言うか、朝から気分が(色々な意味で)滅入りはしたけど。

溜息ひとつ、気を取り直して腰を下ろしてから、淹れたばかりのコーヒーにミルクを溶かす。
黒いところに白く渦をまいたそれをスプーンでかき混ぜてから啜って、そういや今日は夕方には講義終わるなと考えてたら、あの人のメールがぼんやり浮かんできた。




P.M 今日は夕方上がりだから時間合うなら迎えにきて?




「……全く。仕方ねぇイカだ」


そう呟いた僕の顔は、きっと笑っていたんだろうと思う。


***


あの人が店長をやってるコンビニが通ってる大学から近いとはいえ、すぐ着けるって言うのはあくまで今みたいにバイクを飛ばしたら、の話。
普段からバイク通学だから今日特別にって訳でもないけど、自分でも何でだろうって思うくらい今日は気持ちが急いている気がする。免停や減点になると面倒だから流石に法律違反はしないにしても。

ほどなくして着いたところでエンジンを切って、車が停まるのに邪魔にならない程度のところにバイクを動かして停めてから入ると、「いらっしゃいませー」という聞きなれた声が出迎えた。


「お」


その声がすぐに驚きに変わったかと思うと、こっちを見てくる顔はにやっとしたものになる。
……その顔がいかにも僕を振り回してますよと言わんばかりなのが、妙に腹立つ。
怒らないでいるのはここが公共の場だから。そう、思っていたのだけど。


「来てくれたんだー。嬉しー」


にっこりとそう言われると何だか怒るのもあほらしくなって、そうなると先ほどまでむかっときていた気持ちも不思議と呆れるだけに変わっていった。


「来てって言ったのあんたでしょうが」
「オレは“時間があったら”って最初に言ったじゃない」
「はいはいそうでしたね。時間が合わないなら来てませんよ始めから」


半ば投げやりに返事をよこせば、じゃ時間が合ったんだねと屈託もなく言われて、気が抜けるのを感じた。
……この人、本当に僕より年上なのか?
かねてから疑問に思うそれを聞く勇気は流石にないからともかくとして、とりあえず店内を奥へと進んでみる。


「あれ?何か買うの?」
「いくら何でも冷やかしは気が引けるんで」
「ふーん」


と言うか店長のくせに『何か買うの?』はないだろうって事を思いながらも、足は飲料の方へ向いた。
ひたすらに暑い毎日だし、やたらと飲み物が欲しくなるからなんだろう。(かと言ってこういう時むやみに水分を摂ると胃がどうにかなって食欲減退に繋がるとかで、本当は良くないらしいけど)


「ねえ、鬼男くん」


そんな事を考える矢先に聞こえたあの人の声に振り返ると、すぐ後ろのその顔と目があう。
心臓が痛いほど跳ねたのは感じたけど、驚きを出す暇も与えてもらえないまま向こうは会話を続行てきた。


「聞こうと思って今思い出したんだけどさ、ちゃんと朝ごはん食べてった?鬼男くんってほっとくと当たり前のように抜かしてくから」
「メールまで貰いましたから忘れてませんよ。大体そんなに抜かした覚えないですし。……それより」
「?」
「人が極端に少ないんですけど、ここ本当に機能してるんですか?」


近い距離の日常会話の一端で聞いたそれに、彼は「ちゃんと機能してるんじゃない?」と至極あいまいに答えてきたから、今日何度目になるかわからない感情をこっちは抱かざるをえない。
まったくどうして、この人は良くも悪くも自由なものだから。


「何なに?心配してくれてんの?」
「僕がいつあんたのこと心配したって言うんですか」
「なーんだつまんない。バイトと“二人きり”なオレのこと心配してくれてるって思ったのに」
「……心配してほしいってのか」


飄々とはいてったその台詞にむっとしながら、棚の脇に半分よりかかってたその体をぐっ、と押し付ける。
そこで抵抗のひとつでもすればいいのに、向けられてる顔がさっきとまったく変わらないってのは、喜ぶべきか、それとも恥ずべきなのか。
て言うか誘ってくんなよ。ここ一応公共の場だろうが、この変態イカ野郎。……と言っても、その誘いに乗る僕が人の事をいえた立場じゃないか。


「鬼男くんてば不機嫌そうだねー。そんなにオレと二人きりになりたいなら、ここでバイトしてみる?」
「……どうしようかな……」


別に店員として二人きりにならなくても、家に帰れば幾らでも二人きりになる時間はあるわけだが。
まぁ、わざわざ『バイトと二人きり』なんて挑発するくらいだから、望んでないって事もないんだろう。もしくは単に僕を釣って楽しみたいだけのどちらか。
挑発するなら乗ってやるのも悪くはない。喧嘩をふっかけるのは苦手な方だけど、売られたのを買わないほど温厚でもないし。(そもそも喧嘩ではないけど)
少し低い位置にある顎を引っ掛けて視線を合わせれば、にやと瞳が細められる。
お望みって訳か。それなら、


「―――店長、整理終わりました」


望みどおりに、とする前に従業員専用のところから人が出てきて、とっさに僕がとった行動は自分が離れるより相手を突き飛ばすことだったらしい。
ほぎゃっ!と言う声を背後に、死にそうなほど走ってる心臓を落ち着けようと胸の辺りを掴みながら声の方を見やれば、知り合いの顔と目が合った。


「あれ?河合?」
「……誰かと思えば」


意外な人と出会った。そう思ったのは僕だけではないらしく、向こうは向こうで目を丸くしてるようではあった。
彼が特別驚いたり笑ったり悲しんだりと言った感情の起伏をあまり表さないだけに、ある意味では貴重と言えば貴重なのかも知れない。
それ以上に意外なのは、あの人が言ってたバイトが彼を指していた事だけれど。


「今終わりですか」
「ああ、まぁ。そっちは」
「僕は今日の講義何もとっていないので」


相変わらず口数がそこまで多くない彼と他愛なく続けていたら、突き飛ばしたあの人が痛い……と呟きながらも起き上がってきた。


「何寝てるんですか店長」
「……寝てない……」
「寝るなら家でどうぞ。どちみちもうすぐ上がりでしょうし」
「いや、だから本気で寝てないから……。て言うか状況見てコレ。寝てる時にこんな痛そうにはしないから普通」
「どうでもいいです」


店長を放置してすたすたとカウンターへ歩いていく彼に、酷いなーと軽口で起き上がったあの人は、ちょっと赤くなった鼻を擦って立ち上がると、じゃあ待っててねとすれ違いざまに言い残してカウンターへ戻っていく。
あの馬鹿が彼に色々とバラしてなきゃいいが。そう思いながら今度こそ飲料を選ぼうとしたけれど、まるで飲料という飲料全ての表示が消されてしまったかのように、その内容は頭に入ってこなかった。









おまけ(※帰宅後)
「いや、流石にあそこで突き飛ばされるって発想はなかったねー、本当に」
「だから、ごめんなさいってば」
「別にオレ怒ってないもーん。突き飛ばされたくらいで怒るほど短気じゃないの」
「……邪魔が入ったことが腹立たしいなら、続きやってもいいですよ?」
「やっだー、鬼男くんのエッチ☆」
「刺すぞイカ野郎」
「そんなムキにならないならない。青いんだからもー。……実はちょうど明日久々にお休みなんだよねー」
「そうですか。明日偶然休講になったので、僕も丸一日あいてますよ」
「ふーん。つまりお互い暇って訳だよね、鬼男くん」
「多少足腰立たなくなっても平気って事ですね、大王」
「オレはまだそんなに歳じゃないですけどー」
「へぇ。前に立てないとか何とか抜かしてたのは僕の記憶違いと、そう言いたいんですね?」
「さぁね。何なら試してみる?」
「上等」







***
同居人バージョン@鬼男くん視点書き上げましたー。
途中からえらくgdgd感が漂う出来です。ひぃぃやっつけぽくてごめんなさいごめんなさいorz
ここの記事にちまちま書きながらうpってたのが運の尽きのような気がする。やっぱメモ帳族(謎)なんだなー、自分。

閻魔がブラック派だったり鬼男くんが朝若干弱かったりバイク通学だったり曽良君が閻魔と同じコンビニでバイトしてたりするのは100%私の趣味です。本当にありがとうございましt(ry
中型か大型のバイクで、鬼男くんの運転するバイクで二人乗りとかしてたら萌えるじゃない、と言う話。
妄想すみません……orz



あとこれ書きながらあがった疑問点をいくつか今回の課題としてあげてみる。
・鬼男くんが閻魔を呼ぶときの呼称
⇒いちおうこれ現パロ設定みたいなもんだから、大王とか不自然じゃなかろうか。かと言って閻魔とか閻魔さんも違和感が残るんだよなぁこれが(´・ω・`)おまけでは大王と呼ばせてるけど。
・曽良君が鬼男くんを呼ぶ時の呼称
⇒逆も然り。もう某サイト様の定義の如く「君」をつけるか呼ばないかでいいと思うんだがどうだろう。鬼男くんの場合はさしたる問題もないが。
・結局のこの話のテーマ
⇒実はこのテーマの初期は「好きゆえにその感情に戸惑う鬼男くん」だった。生かせてないからもう放置でいいや放置で。このテーマは普通に天国書くときに使おう。


ちなみに余談ですが閻魔と入れ替わりに入るのはお芋です。部下組バイトって美味しいじゃないか(黙らっしゃい)
さて次はまた現パロに逃げそうだなー私。(´・ω・`){だって楽しいんだもん(←
最近友人が提供?してくれた天国組=退魔師設定にものすごく萌えている罠。
閻魔が本家で鬼男くんが分家♪これはこれから書く中篇以外でも普通に現パロで使いそうだ私。友人に感謝!





ああ、竹中さんが出てくる遣隋使イチャコラ話書きたい(←
竹中さんは遣隋使の保護者!

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本名はフォルデモンド・アエーネス・REIKA・97779・ネフェルタリー
これを略すると「零架」になります
(※大嘘)

文を書いたり本を読んだりが大好き。
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