※Attention※
・現代パロ@飛鳥きましたー
・妹子視点。でも鬼男君と大差ない気が(ry
・gdgdです。開き直ってます。
・自分設定色が強いです。かなり。(現代パロの設定については「はじめに。」追記にて)
それでもおkでしたら追記からどうぞーvv
太子は和歌が好きだ。古典近世近代現代問わず、和歌をよく読んでいる。流石に自分で書くほどには至らないみたいだけど。
ほら、今もこうして歌集を隣でゆうるり読んでいる。
そういう僕は僕で、携帯の電子画面を見てる訳だけど。
ニュースコミュニティを見ていたらメールが入った。表示される差出人には「鬼男」の二文字が浮かんでいる。
彼は僕の大学の友人のひとりで、同じく友人の曽良より少し遅く知り合ったけど(色々あって)すぐに打ち解けた。そんな仲だ。
ネットを切ってメールボックスからそれを呼び出すと、明日暇だったら買い物でもどうか。曽良も一緒だ、という類いの内容が実に簡潔に書いてあった。
曽良と交わす時のメールは自然と長くなるけど(相手の返信が長いから。別に不愉快でもないので気にしてはない)、鬼男の場合はそれこそ口で言う方が早いんじゃないかってくらいに短い。
本人曰く面倒くさがりだからとの事だけど、多分長々と打つのが苦手なんだろう。
それはともかく明日は予定あったっけ、と一旦メールを閉じて携帯のスケジュールの方を開いたところで。
「妹子」
歌集を見てた太子がこっちを見ずに僕を呼んだ。
「何ですか」
「見てこれ。私の好きな歌なんだぞ」
開いた本の中身を差す指を追うと、そこにはこんな歌があった。
たとえば君
がさっと落ち葉すくうように
私をさらっていってはくれぬか
「……何かこれ聞いた記憶が。誰でしたっけ」
「河野裕子」
「聞いたような聞かないような……」
「ま、妹子は読まないもんな」
「その口調なんかムカつくな。で、それの何がいいんです?」
呼んだんだからそれに見合う意味はあるんだろうな、とまで傲慢な事は思わないにせよ、好きだから以外にも、何かあるんじゃないかと考えた。
「羨ましいから」
太子は言った。それだけを。
「何が羨ましいんですか?」
「わかんないか?」
「分かるわけないでしょ。僕はこういうの苦手なんですよ」
「さすが理数系」
……それは全国の理数系に謝って欲しいくらいの誤解なんだけどこの際だから言うまい。追及された時の説明が面倒だし。
「で、何が羨ましいんですか?わかりやすく説明してくださいよ」
「……だってこの人には浚ってくれって言える人がいるし、相手が了承すれば浚ってもらえるじゃないか」
「……」
そう言いながら歌集を見る太子の顔は、どこか遠くを見ていた。
それを見ていた僕はふと、この人の旧知の友という竹中さんから聞いた話を思い出した。
太子はこう見えて自由じゃない。
名家に生まれたばっかりに軋轢やら好機やらに晒され挟まれ、それは今でも鎖となって手足にからみついている。
当り前のように暮らしたかった。けれどそれが叶わない人。それが、この太子という人間なのであると。
僕は記憶の中で話す竹中さんの声を聞きながら考える。
ああ、だからこういう、はたから見ればちょっと奔放すぎるようなものを羨ましく思うんだろう。この人は。
たとえそれが「かどわかす」なんてあまり響きのよろしくない行為であろうと、縛られた鎖を引きちぎって自由にしてもらえるというなら。
「……太子」
「んぁ?何じゃい?」
「明日あけてもらっていいですか?」
「明日?明日はちょっと雑用があるんだけど」
「それって明日じゃないと死にますか?」
「……死なないな。仕事じゃないし人と会うでもないし」
「じゃあ出かけましょう」
「どこえ」
「それは明日考えます」
「妹子無計画ー」
「普段から無計画なアンタにだけは言われたくないよ。それよりいいんですか悪いんですか。つか悪いとは言わせませんけど」
「……お、横暴……。いいよ開けてやるよ。妹子が煩いからな」
「そうですか。じゃ行きましょう」
そう言い終わってから、我ながら無理矢理だなと呆れてしまう。
落ち葉をすくうようにってかむしろこれじゃ掘り起こしてるよ落ち葉ごと。
でも、
「楽しみにしてる。……ありがとな、妹子」
誘い文句としては、それなりかな。
僕は開いたままのスケジュールを閉じてメールボックスを開き、明日は予定が入った、と言うのを鬼男に伝えようとキーに指を滑らせた。
***
同居設定とか言ったら怒りますかそうですか(←
大体現代パロする時は上司組を社会人に、部下弟子を大学生にしているので現在二人とも昼間なのに家にいるとか要らん状況説明を残してみます。
さらに要らん設定を投下させてもらうと、鬼/男君は大型バイクの免許を所持してるので大学へはバイク通学です。たまに閻/魔と2ケツします。
そしてこっちも同居です。好きだな同居。自覚してます。←
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