レゾンデートル

タイトルセンスがないのは相変わらずなので許してあげてください……orz

オフの友人様からリクエストいただきました、忍卵文その1にございます！
まだ2本いただいたのですが思いつかない……本当に遅筆すぎてすみません友人様orz
(名前出しの許可はいただいていませんので、「友人様」っで通しております。名出し許可いただきましたら公開します)


※Attention
・忍卵(リクエストをいただいた時のみ書かせていただくジャンルにございます)
・仙乱
・キャラが掴めているのか正直怪しい
・グダグダかも知れない……。
・友人様に対する気持ちが全てです←

以上の事でも大丈夫でしたら、追記より！
友人様、リクエストありがとうございますvv
遅筆ですが他のものもお待ちください；；



『酷く自分本位だが、きっとこれも“好き”に入るのだろう』

これを「好き」と、そう表すなら、恐らく私のそれは相当自分本位なのだろう。
できればこのまま離したくないような、或いはずっと自分の傍だけに置いておきたいような。

……とまぁ、これ以上公表すると若干危ない人に見られるかも知れないので言わないとして、とにかく自分の「好き」が独占欲に直結している事実は否めない訳だ。
「好き」になった相手に尽くしてやりたいとか、何でもしてあげたいって言うような乙女チックな感情など私は持ち合わせていない。
かと言って、「好き」になった相手へ独占欲的な表現で気持ちを伝えるというのはいささか強引過ぎる気もしないではないが、そこのところは自覚している訳で。
ついでに直す気なども毛頭ないから、私は多分ずっとこういう愛情表現しかできないのだろうとも思う。
まぁ、独占も行き過ぎないなら構わんだろう。
などと、自分で自分に言い訳して、膝に乗せた小柄な身体に少しばかり体重をかけてみたりした。
腕の中の身体がちょっとだけ身じろいで、続いてこっちの方に眼鏡越しの丸い目が向けられた。

「あのう……仙蔵先輩」
「何だ」
「何で私は先輩の膝に座らせられているんでしょうか……」
「さぁ、何故だろうな」

はぐらかすようにそう言ってから、悪くはあるまい？などと続けてやると、乱太郎はむう……と、「不可解です」なんて言わんばかりの声だけを代わりに寄越してきたものだから、思わず出かけた笑いを噛み殺す羽目になった。
事の始まりはどうという訳ではない。特別な理由もなく縁側に居た私を、特別な理由もなく乱太郎が尋ねてきたのでそのまま捕まえた。それだけだ。
秋の兆しを含み始めた風はいささか着物越しの肌に冷たくあったので、抱き寄せていると暖かかった。
誰にひっついても恐らくは暖かいものなのだろうが、この子は特別に暖かい気さえするのがまた不思議だ。
落ちた方の弱みと、そういうものなのだろうか。（この子の平熱が高いだけと言う気もしないでもないが。）
引っ付く以前に中へ入ればいい。誰かはそういうかも知れないが、そんな意見など知ったことではない。
暖をとるという理由でも、距離を一番近くしたいという理由でも、自分の腕の中に閉じ込められるからという理由でも……とにかく、私はこの子を、乱太郎をこうしていたいのだから。

「先輩」
「ん？今度は何だ」
「寒いんですか？」

不意に乱太郎がそんな事を聞いてきた。
別段震えるほど寒がっているような覚えはないが、それでも微かな振動が触れ合う指や腕越しにでも伝わったか。

「何故そう思う？」

すぐに寒いと言ったら少しは可愛げもあったのだろうが、生憎それは私のキャラと異なるので、あえてシニカルにとられるであろう笑みを浮かべて聞き返してみる。
そうすると、向けられた丸い目が、少しだけ困ったように細められた。
頬も上下している。この様子を見る限りでは「まずいことを聞いた」と焦っているのかも知れないが、それはそれで可愛いので「別に悪い事を聞いた訳じゃあるまいし、緊張する必要なんかはない」などとフォローするような言葉は言わないでおくことにした。

「いえ……何となく」

しばらく続いた沈黙の後、ようやくそれだけが返ってくる。
忍に相応しい直感だな、と内心だけ褒めるが、私は多分シニカルな笑みを崩してはいないのだろう。
……そう思っていたのだが、しばらく見ていると乱太郎の方から「図星ですね」などと笑うものだから、知らずこの子のペースに乗っていたのかもしれない。
流されないが心情のはずだったが。そう考えかけたのを一蹴して、そうだな、と返した。

「酷く、とまではいかないが。季節の変わり目だからだろう、少し肌寒いか」
「じゃあこんな縁側にいるより入ったほうがいいんじゃないですか？」

風邪引きますよ、と乱太郎が目を瞬き言う。それに必要ない、そう返してから、疑問を投げかけられる前にもう少しだけぎゅっと抱きしめてやった。
それに対し苦しいとか抗議はこなかったものの（その前に抗議がくるほど強く抱きしめてはいないが）、その力の係り具合には乱太郎も疑問を投げる前に答えを悟ったらしい。
呆れにも困惑にも見える目を向けてくるのが、またいとおしかった。

「……私じゃ暖は取れないと思いますよ？」
「問題ない」
「そうでしょうか」
「ああ」

そうかなぁ、と疑問符が浮かぶ声を面白く聞いた。それに暖かいよ、などと返すのは私の性ではないから、黙っておくに留めるが。
乱太郎の言うとおり、部屋の中に入ればおそらくはもう少し暖かいのだろうが。
どうせなら人の、それも「好き」な人の温度で暖をとりたいと、そう思う私は趣向が少々一般の人とずれているのかもしれないが、そういうのもやはり、私の知ったことではない。
そんな風に考えていると、乱太郎がもう一度こっちを見て、何かを言いたそうに口を動かした。

「ですが先輩」
「中のほうが暖かい、とは言うなよ？私はこうしている方がいい」

出てきた言葉が予想通りだったので用意していた答えを返すと、乱太郎はぱちぱちと瞬きを繰り返した。
まったく、本当に見ていて飽きないな。この子は。

「それとも、乱太郎は私にこうされてるのは嫌か？」

そこで更に意地悪な問いかけをしてやると、何か効果音がつきそうなくらいに慌てながら、と、とんでもない！とどもったので、いよいよ可笑しくなって私は少し、笑った。

「ならいいだろう。折角だ、私を暖めるついでに景色でも楽しまないか。紅葉が綺麗だ」
「確かに綺麗ですけど、これをついでにしちゃっていいんですか？先輩」
「お前に暖めてもらうことが前提だから、構わんな」
「何ですかそれ」

あはは、と声が空気に踊る。それがいとおしくて微笑を返したら、今度は私が回していた腕の方を掴まれる感じを覚える。
誰が、などといまさら確認する必要もないだろう。が、一応問いかけてみようか。

「どうした？乱太郎」
「いいえ。ただ」

向けられた顔はにっこりと笑っていた。
思わず気が抜けそうになった私に、乱太郎は続ける。




「先輩も暖かいなぁって思って」




耳の端を染めてそんな事を言うものだから、私は、




「……そうだな」












これからしばらく、理性と格闘を始める羽目になりそうだ。











*あとがき*
「仙乱で甘々」のリクエストにていただきました。ありがとうございます！

しかしこんなものでいいでしょうか……甘々かもわかりませんが（死
とりあえず私が甘いと考える「膝抱っこ」「からかう掛け合い」をモットーに書いてみました。
私が書くと欠片も甘くないし萌えすらないですがorz
ああもうぅ本当にすみませんすみませんすみま(ry

こんなもので宜しければ、煮るなり焼くなりご自由にどうぞです！！
リクエストありがとうございましたvv

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