レゾンデートル

※Attention※
・遣隋使、太子視点？
・しかし最早太子視点なのかそうでないのかすら曖昧。
・＝もう太子視点なんてやめてやんよ！(早)
・グダグダ加減は言うまでもなし
・自分設定オウイェア

ちなみに自分設定↓(例によって一部)
*太子は普段ヘラヘラしてるけど本当の感情を知らないような感じの大人(イメージはバ/ン/プのア/ル/エ)
*妹子は太子がそうであるのを知らない


以上の事柄でも大丈夫という方は追記からどうぞ～。


***
お題⇒『星が沈没』様
今回はisotopeの(左のリンクから行けるページのTitle内に有り)「March」からお借りしております。


 

『少しだけ本音を零してあげてもいい』









「妹子ー。おーい、いーもーこー」
珍しく正装の太子が、動きにくそうにふらふらと妹子の名を呼んでいた。
「もー、どこ行ったんだあのいもいもはー」
ぶすっと頬を膨らませた太子は、しかし諦めようとは思わないらしくやはりふらふらと妹子を探す。
よく晴れた気持ちのいい午後だった。
縁側の方まで出てきた太子はふと空を見上げ、ああ今日みたいな日ブランコ乗ったら気持ちいいだろうなとか、ワンちゃんと遊びたいなぁとかぼんやり考えて。
「……許さんぞー妹子」
何故か妹子に不満の矛先をぶつけるのであった。
恐らく妹子を探さなきゃいけないからだと言う理由をつけての事だろうが、なら探さなくていいってだけの話ではと言う理屈はこの太子に通用しない。
「お」
太子の足がぴたりと止まった。
その目線の先には、建物を支える柱。と、そこからちらちら覗く栗色の髪。
「妹子ー！」
それだけで妹子と判断するには早いのでは、と言うのも太子の辞書にはない。
ジャージ姿なら駈け出しているところだが、正装の今では流石に駆けだせないらしく、本人的には急いでいるだろう足取りで太子はその妹子らしき人物の方へ駆け寄った。
「全く、私が呼んでるんだから返事くらいしろよこのいも……けんぴ……」
先程の太子の勢いは何処へやら、その声はだんだんと萎んでいく。
と言っても、太子が人違いをしたのではない。
太子が妹子とそう呼び駆けた先にいたのは、普段の赤ジャージでこそなかったが、確かに小野妹子その人であったのだ。
ただ、
「……寝ちゃってるよ……」
完全に寝ているというだけで。
「何さー。私は仕事頑張ってるのにー。妹子は昼寝なんてしていいのかっ」
太子はしゃがみこんでぶちぶち妹子の耳元で文句を言う。
だが、相当深い眠りなのか、妹子はぴくりとも動かない。
「起きろ妹子ー。おーきーろー、摂政命令だぞー。起きろってばー」
そう言いながらもゆすったりしないのは、太子の良心と言うべきか。
「起ーきろー。いもいもー、お芋ー、いーもー、いもけんぴー、ばれいしょー、」
それでも耳元でここまで騒がれれば、普通なら煩い！と騒ぐ相手に一撃でもかましそうなところではある。
沸点が太子よりも低いであろう妹子なら、尚更だ。
「……むう、手ごわいな妹子のくせに」
今回はそれでも起きようとしなかったのであるが。
太子はひととおり罵倒と呼べるかいまいち曖昧な罵倒をやりきって飽きたのか、ああもういいよ妹子のバカヤロウなどと勝手な事を呟くと、
「あー、疲れた」
妹子のすぐ傍、ちょうど建物の中が見える方向の柱を陣取るような形で腰を下ろした。
あれだけぶちぶちと不満を漏らしていたのは何処へやら、その場に居ると決めたとたん、太子はまるで貝のように口を閉ざす。
ぼんやりと、床に視線を落して。
まるで、何かを言おうか言うまいか、迷うかのように。

「なぁ、妹子」
やがて、太子はその口を開く。
すやすや気持ちよさそうに眠る妹子の方などまるで見ず、むしろ彼から目を離すように天井を見ながら。
「最近さ、竹中さんが言うんだよ。私は妹子と一緒にいるようになってから、よく笑うようになったって」
相手が寝ているのをいいことに、太子は続けていく。
「失礼だよな、竹中さんは。別に妹子がいなくたって私は笑えるっつーの」
「……」
「あ、でも妹子が要らないとかそういうんじゃないぞ！妹子は必要だ、だっていなくなったら私は誰と遊べばいいんだ」
「……」
「妹子」
「……」
当然ながら、寝ている相手から返ってくるのは沈黙しかない。
太子はちらりとその横顔を見て、微笑んだ。
その顔は普段の妹子どころか飛鳥宮廷のほとんどが見られないような、とても柔らかい、心からの笑い。
「私は幸せだ」
だったのかも、知れない。
「ありがとう、妹子」


そう呟いて数分も経たぬうちに、なんて冗談に決まってるだろ騙されたなばーかばーか、などと誰にごまかす必要もないのに太子は言うと、
「せっかくだから私も寝よーっと」
それの延長か関係のないことを口走り、己の身も後ろにある柱へ預けた。





少しだけ本音を零してあげてもいい
(お前が起きてる時には、死んでも言ってなんかやらないけどな)






***
久々に一人称じゃない文体で書いた気がする……(ダメ男
ここんとこずっと一人称視点だからなぁ。書き方忘れてるよヤバいヤバい。
つーか太子がツンデレ化している気がするのは気のせいじゃないですよねあははははorz
太子はツンデレじゃないんだデレツンなんだ！←
でも自分設定で行くとツンデレになるような気がしていけない。うーん。(´･ω･`)

ちなみに妹サイドもあったりします。妹サイドはお題使わないんでそのうち二次カテゴリに行くでしょうけど。
考えてる部分だけリアタイにメモしとこうかなー。

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