※Attention※
・天国、閻魔独白率99%
・その閻魔が偽物くさい
・自分設定バチコーイ
・gdgdと書いてグダグダと読むが二割増
以上の事が大丈夫な方は、追記からどうぞご覧下さいませ。
***
お題拝借元⇒「星が水没」様
『Lie=All』
いつか誰かが、嘘をつくのはいけないとオレに言った。
それは先代の閻魔だったかも知れないし、鬼男君の前の秘書だったような気もするし、鬼男君の前の前の秘書だったようにも思えるし、鬼男君の前の前の前の秘書だった記憶もあるし、鬼男君の……いや、これ以上はやめとくか。とにかくオレに初めて仕えた秘書だったのではないかとも考えられる。勿論、鬼男君本人だった可能性もなくはない。
まぁ、とにかく誰かが、オレに対して嘘をつくのはいけないと、そう言ったのは確かに記憶にある。これだけは、確かだ。
その誰かが言うには、一度嘘をつくとその嘘を本当にするためにさらに嘘をつかなくてはならなくなるから、だそうだ。
例えば何かに対して後ろめたくて真実を話すのが憚られて、つい嘘をついたとする。そうするとその嘘を本当にするためにまた嘘をつく。そしてその嘘の嘘を本当にしなくてはならないからまたまた嘘をつく。
終いにはその嘘が嘘を呼び続けるもんだから抜け出せない螺旋に堕ちる。そういう事のようだ。
成程と、確かにそう言われれば納得できなくはない。
ひとつでも嘘がバレてしまえば、あとは芋づる方式で、他の嘘もすべて暴かれる。
綻びを知った粟が袋からあふれ出るように。
檻の穴に気づいた猟犬がすべて逃げ出してしまうように。
嘘が暴かれた方は、たまったものじゃないだろう。それこそ死刑を待つ罪人のような心境に陥るか、或いはこの地獄の責苦など楽園だとばかりの苦しみに苛まれるか。
まぁ、そんなのは心底どうでもいい。
オレはそんな事に縁など無いんだから。
縁など無い。
縁など無い。
無い?
無い。
本当に?
本当に
滑稽な話だ。
オレにそんな説明をした人物も、それに縁がないと必死に言い訳をするオレも。
本当に滑稽。
「……うふふ、ふふ、ふふふ、ははは、あは、は、あはははは」
傍から見ればどんなに滑稽だろうか、この光景は。
「あはははは、あははは、ははははは!」
「うるっせぇ!」
部屋に充満してた笑い声をかき消すような怒号が響いた。
笑いすぎて流れた涙を拭いつつ見てみると、そこには引き戸を開け切ってる鬼男君が見える。
眉間に皺寄せちゃってまぁ、
「どうしたのさ。格好いい顔が台無し」
「どうしたもこうしたもありませんよ。さっきから狂ったように笑いやがって、アンタこそ何なんですか」
「あれの事?思い出し笑いだけど何かあるの?」
「……」
鬼男君は何か言おうとして結局言えないみたいで、代わりに盛大なため息をついてから入ってきた。
片手に持ってるのは、オレが頼んだとある罪人の資料。と、次から来るだろう裁く対象を書いてるリストだろう。
「頼まれてた件のものです」
「ん、ありがと」
「……ところで大王、何を思い出して笑ってたんですか?廊下にまで聞こえてきたんですが」
「大した事じゃないよ。オレが思い出して笑える次元だし」
「生憎僕には大王の高尚な考えは理解できないんで」
鬼男君がそう言って肩をすくめるのもまた、やけに面白かった。
「ふふ、そう言わないでよ意地悪だなぁ。……そうだ鬼男君、オレからも一つ聞いていーい?」
「僕が答えられる範疇ならどうぞ」
「本っ当に意地悪だな鬼男君。オレ結構君の事評価してんだけど」
そう言うと鬼男君は真っ黒な眼をすっと細める。
これがまた何とも言えずアレなんだけど、まぁこういう事については次の機会に話すようにしよう。
「それはともかく。鬼男君てさ、嘘をつく事ってどう思う?」
「嘘ですか?」
「そうそう。嘘の大きさは問わないで、嘘をつくって行為そのものにどう思うか」
「……別に、これと言って何も思いませんけど」
「あら、意外とそっけない答えだね。鬼男君ならこういうのは許せるか許せないかはっきり答えそうな気がしたけど」
「今更答えようがないって事ですよ」
肩を竦めた鬼男君の目がオレを射抜いた。(射抜くって言っても、それに敵意はない。単に鬼男君の目つきがはなからそんなに宜しくないだけで。)
その黒い虚空の中には、鬼男君の答えを楽しそうに待ってるオレが逆さまに映っていた。
「普段から嘘が全てってくらいに嘘吐きな人の相手をしてるんで」
その答えが。
オレを心底から歓喜させる。
「鬼男君。やっぱり鬼男君って期待通りだよ。すごく期待通り。これ以上ないくらい」
「そりゃどうも」
「うん、気分がいいから今日はいつにも増して張り切っちゃおうかなー」
「……その調子を普段から出せよサボリ魔が」
Lie=All
(オレを含めたこの世の全ては、妄言で出来てるんだよ)
***
このお題見て最初に思いついたのは遣・隋/使だったんですが、書いていくうちにこれって自分設定の閻魔ぽくね?と思い直して書き始めたら見事ハマったって言う。
しかし書いてる途中に強制終了させられた(家族の邪魔的な意味で)ので後半の内容が初め考えてたのよりさらにグダグダだなこれわ(´・ω・`)
素敵な天国が書けるようになりたい……。
[0回]
PR