レゾンデートル

あたまがぼーっとする。


※Attention
・これでもかと言うほど天国
・グダグダ
・閻魔視点
・閻魔が鬼男に対して向ける感情の違いに気づきだしたようです


大丈夫そうなら追記へどうぞー。
閻鬼だろうと鬼閻であろうとプラトニックであろうと、解釈はご自由に。
いや、プラトニックは違うかも知れない…けど……。

テーマはB'zの「今夜月の見える丘に」で。
いや、単にこれ書きながら聞いていただけなんですがね。

例えば今の二人がここにいるとして、その二人がもしも今以上の存在に互いを昇華させるのであるとしたら、それをどちらかが或いは両方が望むのだとしたら、何からの過程を経てどうこうなるんじゃないかって思う。



「鬼男君、そこのファイルとって」
「これですか？」

しかしその過程を踏むにあたって越えられない壁ってのに、身分ってのがある。
ことにオレこと閻魔はいうなれば死界の象徴であり、相手は、言い方は悪いけどたくさんの鬼のひとりにすぎないわけで。
これと言ってオレが感情を向けるべき相手でも、ないっちゃあ、ない。はずだ。

「違う違う、ちょっと分かりにくいけどそこのファイルがあった場所から上に二個左に六個目の灰色のやつ」
「あぁ、これですか」
「そうそれ」

それでも何となく、気がつけばなんとなく、その目の端に映る蜂蜜色の髪を追いかけている。
また目が勝手に家出でも画策してんのかなと、最初は思ってた。思ってたけど、どうやら違うらしい。
目がそれを追う時に、必ずと言っていいほどその持ち主がそこにいることが多いから。

「……しかし、多くなってきましたね」
「そりゃ、毎回どっかで何かが死ぬんだからしょーがないじゃん」
「そうですけど」

溜め息がひとつ落ちた。それを落としたいのはどっちだって話。そんなこと相手に伝わる由もないけど。
素敵な恋がしたいなんてほざかなきゃよかったと今更後悔してみる。
大体何なの。オレは別に君のことを秘書以上に考えたことなんかなかったわけよ？まぁたオレのお守役か、みたいな。
それがどうよ、今じゃ秘書だとか大王だとかそんな壁とっ払いたいくらいの衝動がどっくんどっくん、今みたいにたまーにだけどわきあがってくるっていうおかしな現象が起きてるんだから。
ちくしょー責任とりやがれ。

「これでも定期的に処分してるんだけどねぇ。それよりも死者の量が多いってことか」
「本当にきちんと処分してるんでしょうね？」
「いくらオレがものぐさだからって言ってもそこはちゃんとしてますー。大体処分してなかったら今頃オレ達ここに入れないくらい溜まってるし」

責任って言っても何をどうすりゃいいかなんてわかんないけどね。いっとくけど如何わしい責任の取り方はいらないから。そんなことするほど思ってはないし。
あぁ、じゃー何なんだろ。オレは鬼男君のこと好きなのかな。いや嫌いじゃないけど。小うるさいとことセーラー着るの拒否するとこさえ直してくれればむしろ超大好きだけど。

「そんなに……？」
「なーに今さら驚いてんの？君何年オレの秘書やってるわけ？」
「そんなの知りませんよ。時間の感覚なんざ曖昧なわけだし」

いわゆる秘書以上恋人未満に見てるんだとしたら、どうすりゃいいかって考えてもしょうがない。別に恋人なんかじゃないわけだし。
だったらオレは鬼男君とどういう関係にいたいのかって言う話になるけど、うーんどうだろ、なんかもう分からん。
別に転生するでもないから永遠に傍になんて寒い台詞は吐けないし、吐いたところでオレも相手もさぶいぼ立てるのは必須なわけだ。転職願いださないでってのも今更。何処にいようとオレと鬼男君の接する頻度はそう大して違わないし。

「でも結構前からいるじゃん。なのに今更？」
「……悪うございましたね。理解の許容量が少ないんですよ。そこにおわす閻魔大王様じゃあるまいし」
「あーごめんごめん怒んないでよー」

いっそ君をどっかに閉じ込めちゃおうか。と、思うほど独占欲が働く訳でもないし、けど君には傍にいてほしいと思う。なんなのこれ気持ちわるい。
だけどそこまで嫌じゃないし、結局オレは鬼男君をどうしたら満足するんだろうか。

「別に怒ってません。もともとこういう顔です」
「いや確かに君いっつも不機嫌そうだけどさ、さすがにオレでも普通の時とそうじゃないくらい区別はつきますよ？」
「何で」
「そりゃ、つきあいの長さってやつだね」

もう面倒くさいから考えるのを出来ればやめたいんだけど、どっくんどっくんしてる血液が止めさせてくれそうもない。ああもう煩い。てゆか何でオレ一応死人なのに、血が流れてる音がするんだよ、ちくしょう。
それはそうと、やっぱりどうにもならないんだろか。オレが恐らく君を普通の鬼以上の存在としてみてるってのは。

「つきあいの長さ、ですか」
「そうそう。だから鬼男君、今日も手伝ってよー」
「またですか？だからあんだけサボるなって言ってんだろ普段から」
「ち、違わい！サボりのツケじゃなくてもうすぐこっち忙しくなるからだし！」
「そこに普段のツケがどれくらい入ってるのやら……」

そして鬼男君とオレの間に超えちゃいけない一線が張り巡らされてるってのは。

「珍しくツケは払ってますー！で、残ってくれるのくれないの？」
「はいはい。別にかまいませんよ。帰ったら部屋でも片付けようかと考えてた程度ですし」
「部屋って、あのめっちゃ殺風景な？」
「悪かったな殺風景で。余計なものを足の踏み場もないくらいごっちゃごちゃに置いてある誰かさんのところよかマシでしょうが」
「ごっちゃごちゃじゃないし。ちゃんと役割分担して置いてるし」

別にその一線は無視すればいいだけとして、このよく分からない感じ。これはもう、どうしようもないんだろか。
鬼男君に向けるオレの目をそっくり取り換えれば、もうオレは鬼男君を追いかけることもないんじゃないかとかそう思うけど、そんなことできっこないし。
鬼男君に長期休暇でも与えてどっかやっちゃうとかしても、オレのことだから意味をなさないどころか次に会ったとき余計に追っかけてしまいそうだし。
なんだろ、刷り込みってのに似てる気がする。んなに可愛かないけど。

「お前の部屋の模様は心底どうでもいいんですが、それより手が止まってますよ」
「あーあーごめん。ちょっと考えてたらつい」
「考えてたって、何を？」
「ひ・み・つ」
「……言い方がムカつく…」

とりあえず、どうにもならないんだと思う。どうしようもないんだと思う。
どうしようもないんだし、仕方ないからオレが思ったように行動してみようかな。












きっとどう行動してもオレは。












***
鬼男君を秘書以上として認識し始めた閻魔の脳内葛藤。
きっと今の状況は
閻魔→→→鬼男
に違いない。とか言ってみる。

で、閻魔のほとぼりが幾分か冷めてくるころにオニオンが葛藤に突入したりして。
どうしようもないからってことで素直に行動した閻魔のせいですね。分かります。
そして最終的には思春期よろしくなったりすればいいんじゃないかな！と絵空事を吐いてみます。


ここまで読んでくださり、ありがとうございました！！

[2回]

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