※Attention※
・遣隋使っぽい
・死ネタ…だと思う
・基本妹子視点
・グロいかも知れない
・飛鳥と現代のクロスオーバー
・飛鳥の妹子はちょっと狂ってるかも知れない
・全体的に意味不明
このお題はロメア様からお借りしました。
輪駆内「Title」にリンクはってますので、どうぞ。
『またあおう、マタ合オウ、会おう、逢おう、遭おう、遇おう』
『アフターワールドでもう一度』
死に逝く時の空はこんなにも綺麗に僕の脳髄を犯していく。引きずる体はずいぶん前から酷く重かった。
状況を確認しようか。右手骨折で、内臓はみ出しかけで、肩は骨が浮き出て、額の方から血が止まらなくて、左手はどこかに落としてきた。こんな感じ。
足が無事なのはたぶん不幸中の幸いだ。あるいは幸いの中の不幸かも知れないが。
とりあえず足があるから何処へなりと歩き去る事ができる。これがあんたへ続く道だったらどんなにか嬉しかったろう。そんな柄にもない事を考えて僕の唇は持ち上がった。
もうすぐ死ぬこの身でも、笑おうと思えば笑えるものなのか。
気がついたら僕の周りには彼岸花が広がってた。そういやあんた結構前に彼岸花が閻魔の涙とか言ってましたよね?と問いかけたくて口を開いたら言葉の代わりにもならないものがごふっと毀れて足元に咲いてるそれのひとつの赤を濃くした。
あああごめんなさい。もしかしたらこれ、あんたの魂の欠片だったかも知れない、のに。
足の感覚が痺れてだんだん足そのものさえ消滅させたものだから僕は図らずもばたり、とこの彼岸花のところに仰向けになった。うつぶせかも知れない。どっちでもいいけど多分空が見えるからこれは仰向けだな。
それにしても。
見上げた空、は。
びっくりするほど青かった。
「おーい、妹子」
「……ふぁ?」
「寝てたなコノヤロー。何度起こしたと思ってるかな本当に」
「あ、太子。おはようございます」
「おはようございます、じゃないっ!今何時か時計見ろぃ!」
「四時、ですね」
「そう。今日は夕方から出かけようって話だったから私も早めに仕事カタつけてきたんだぞ!」
「あ、そうでしたっけ?」
「おま……完ッ全に忘れてるな。全くこれだから妹子はー」
「ああ、ああ、ごめんなさいってば。すぐに用意しますから」
「あんまり待たせるなよー。私は基本待つのが苦手なんだぞー。あんまり待つと溶けちゃうからな」
「人間外じゃねーかそれ!」
あ、あ、待たせるなって言われてたっけ。でも一応この世界にはまだまだ未練があるらしいこの体がまだ僕をそっちに逝かせたがらないんだからしょうがないじゃないか。
何処を見ても彼岸花の中僕はつぶやく。息をする度に手の中で毀れかけの内臓が震えた。こんなモン丸出しにさせやがって、全く奴等は酷い事をする。これじゃいくら着飾っても向こう着いた時とんだ笑いモンじゃないかよ。内臓はみ出し丸とか変なネーミングをあの人がつけそうだ。墨汁戦隊スミレンジャーだの飛鳥文化アタックだのとにかく変なネーミングセンスに定評があったものだから。
それはどうでもいいのだけれど空が綺麗だな。青に周りの彼岸花の映える事と言ったら。
あれ、何か急に空が朧になってきた。おかしいな、さっきまで雲ひとつない晴天だったのに。
というか頬を流れてるこれはアレか、涙か。だとしたら僕はなんでこんな場所でこんな死にかけの状態のまんま泣いてるって言うんだろう。
ああもうぅ、息が苦しい。ただでさえ息苦しいってのに泣き始めたからもっと苦しくなった。このままじゃ本当に僕の呼吸は止まっちゃいそうだ。でもそしたらあんたの所に逝けるでしょうか。さんざん待たせたから溶けてるかも知れないけどそれならまた僕があんたを型に嵌めて元に戻すつもりでいるから遠慮なく溶けてていいですよ、馬鹿摂政が。
「……はー」
「どした妹子。顔色悪いぞ?風邪か?」
「何ですぐ風邪に結びつけんだよあんたは全く」
「だってさっきコタツで寝てただろ。コタツで寝たら風邪ひくってのは昔から言われてるんだぞ!」
「コタツで寝てすぐ風邪ひく奴がいるなら見たいですよ……せいぜい翌日でしょ、風邪が発覚するのは」
「そこはホラ、妹子クオリティでどうにでもなる!」
「僕クオリティて何だよこのバカ!」
「さんぷるっ!?」
「あー全くー。それより早く用事済ませて帰りましょうよ。寝たいです僕」
「ちょ、おま、さっきまであんだけ爆睡しといてまだ寝るんか?!」
さっきからヒューヒュー耳元で煩いこの音は何だ。ああ僕の呼吸音か。煩いな、止まればいいのに。
……そういや止まったら僕終わるんじゃないか。いや、もう終わろうが終わるまいが正直どうでもいいって言うか、いい加減終わりたいところではあるけど。花上死なんてすごく綺麗な終わり方じゃないか、上等だよ。
でもどうせなら梅とか桜とかもうちょっと綺麗な花の上で死にたかった気もするなぁ。よりによって彼岸花かよ。
いや、よく考えたらこれ閻魔大王の涙であってあんたの魂の欠片かも知れないって事?それだったらむしろ望むところかも知れない。閻魔大王云々に興味はないけど死ぬ時にあんたと一緒なら寂しくないかな、なんて柄にもないこと考えてみたりして。
ところでどうしてあんたは僕をおいて先に逝ったんでしょうか。許可してないぞ、アホ太子。
「……」
「妹子」
「……」
「妹子ってば!」
「あ、はい。すみません何ですか?」
「さっきからずっと顔色悪いから心配してんだよ柄にもなく。どうしたんだ?」
「ホントに柄にもないですね。あんたからそんな風に言うなんて。気持ち悪ッ」
「お、おま!せっかく人が心配してやってんのに気持ち悪いって……!」
「冗談です。でも、そんなに顔色悪いかな僕」
「何かもう死人みたいな顔してるぞ」
「……死人、か」
「どうしたんだ妹子。誰かの命日でも思いだしたのか?」
「いえ。そうじゃなくて。……ちょっと、さっき見てた夢の事を思い出しちゃって」
「さっき?あぁ、妹子がコタツで寝てた時のか。どんな夢見てたんだ?」
「何か、本当に変って言うか、気持ち悪いって言うか、とにかくよくわからない夢なんですけどね―――」
何だかだんだん指先の感覚がなくなってきた。空も暗くなってきてる。いや、これは夕方が近いからか?
とにかく僕はもうすぐ死ぬんだろう。花上死なんて狙って出来るようなもんじゃない死に方ができるのは不幸なのやら幸せなのやら。
でも贅沢言うなら隣にあんたが居てほしかったです。アホ太子。狙って出来る死に方とかそういうの関係なしに、一人ぼっちなのは、悲しい、から。
あ、でも誰か言ってたけど、一緒に死ぬより別々に死んだ方が後々再会しやすいらしいですよ。
だとしたら僕はいつか何処かであんたともう一度笑ったり喧嘩したりからかったりからかわれたり泣いたり、出来る、かな。
「死ぬ夢?」
「そうです。彼岸花に囲まれた場所で、すっごい怪我してて。死んじゃう夢、です」
「ひとりぼっちでか」
「……はい。なんて言うか、本当に夢見が悪いんですけど」
「で、でもさ妹子。自分が死ぬ夢ってのは、新しい何かが始まる予兆なんだって聞くぞ」
「新しい何か?それって、何ですか?」
「いや、私も竹中さんに聞いただけだからよくわかんないんだけど……新しい世界での生活とか、じゃないか?」
「新しい世界って、そんな大袈裟な。……いや、でもある意味、新しい世界かも」
「へ?それ本当か、妹子?」
「ええ」
「それ、どんな世界だ?」
いつか、どこか、不確定な未来だけど。
次こそ一緒に生きて、一緒に死んでくれませんか?太子。
アフターワールドでもう一度
(再会出来たらそれは、新しい世界の幕開け)
***
お題見て思いついた話。頻繁にクロスオーバーしてるから読みづらいかも。
一応「」でなされてる会話が現代で、妹子一人語りが飛鳥です。わかりにくいですね。色分けするべきなのかしら……。
微妙に彼岸花リンクしてますがあんまり意味ないですね。知ってます。
思いつきだけで書いた結果がこれだよ!!!でも後悔はしてません。
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